Disclaimer: 著者は本稿執筆時点において、京成電鉄の株主である。投資は自己責任で。
これまで2回、京成電鉄の株について記事を書いている。前回の6月にブログ記事を書いたときは-18%の含み損であったが、本日(2024年9月2日)時点で含み損は-29.75%まで拡大している。8月の歴史的大暴落で-40.21%まで落ち込んだことを思えば、いくらか持ち直してはいるが、それでも損失は大きい状況だ。
現在、京成電鉄の株は引き続きホールドする方針だが、ここで再び現状を記録しておきたい。
なぜ京成電鉄の株式を買ったのか?
私が京成電鉄の株式を購入したのは、パリサー・キャピタルによる京成電鉄への投資に関連した報道がきっかけだ。特に注目したのは、京成電鉄が保有するオリエンタルランド(OLC)の株式価値が京成電鉄の時価総額を超えているという点である。(参考:Palliser Capital、京成電鉄株式会社への投資に関して)
理論的には、OLC株を全て売却して京成電鉄を解散すれば利益が出る状況であり、株価が大きくディスカウントされている状態と判断して購入に至った。
京成の時価総額と保有OLC株式価値の推移
改めて、京成電鉄の時価総額と保有するOLC株式の価値を自分で検証してみた。
- 京成電鉄の発行株式数:172,411,185株(京成電鉄IRより)
- 京成電鉄のOLC株式数:364,747,000株(オリエンタルランドIRより)
2024年5月に京成電鉄は500万株の自社株買いを行っているが、それが消却されたか、または自社保有したかまでは調べていない。多少の誤りはあるかもしれないが、上記の株数に京成電鉄とOLCの株式の終値を掛けて計算した結果は以下の通りだ。
直近8月28日の終値ベースでは、保有するOLC株式価値は約1.38兆円に対し、京成電鉄の時価総額は0.78兆円である。仮に京成電鉄の事業価値を0円と仮定したとしても、株価は43%ディスカウントされている。
京成電鉄の事業価値は株価に反映されていない?
グラフを作成してみると、京成電鉄の時価総額とOLCの株式価値はほぼ連動しているように見受けられる。これは、OLCの株価が京成電鉄の株価に強く影響していることを示唆している。つまり、京成電鉄自体の事業価値が株価に十分反映されていない可能性があるのだ。
なぜ京成電鉄の株価はディスカウントされているのか?
それでは、なぜ京成電鉄の株価はここまでディスカウントされているのだろうか?8月28日の終値は4,519円であり、43%のディスカウントを解消すれば株価は8,000円程度になるはずであるが、現状ではその水準に達していない。
この原因について考えてみたが、明確な答えは見つからなかった。以下のような要因が考えられる。
- 京成電鉄の事業価値がむしろマイナスである可能性
- 経営の不透明感やガバナンスへの懸念
- 京成電鉄の経営陣がOLC株を手放す意思がないため、その価値が株価に反映されていない
どれも決定的な理由には至っていない。もし、本質的な要因について意見があれば、ぜひコメントをいただきたい。
京成電鉄の株価は、保有するOLC株式価値に比して大きくディスカウントされている状況が続いている。京成ユーザーであり株主としては、OLC株式を活用した積極的な投資と株価の回復を願うばかりだ。