電動キックボードシェアリングサービス「LUUP」を2年間で約20回利用した。また、他社のキックボードレンタルも数回経験している。それらを踏まえての感想をまとめたい。
キックボードの乗り物としての評価
- 完全電動の新鮮さと快適さ
- 最初の蹴り出し以外は電動で走れるため、自転車よりも楽に感じる。特に完全に電動で動く点は新鮮で、楽しさを感じた
- サスペンションがなく小径タイヤであり路面の影響を受ける
- サスペンションがないため、路面の凸凹や段差が背骨に響く。長時間の利用には向かないかもしれない
- 小径ホイールなので、路面の穴や段差に突っ込むと前転してしまいそうな怖さを感じる
- スマホホルダーが不安定
- ハンドルにスマホホルダーが付いているが、スマホの固定が少し難しいし、スマホを落としそうで、安心して使えない
- 乱暴に扱われるがゆえに不具合が多い
- 不具合のある車体に当たることが多い。20回の利用で2〜3回はウインカーが付かない、割れているなど不具合があった
- 走行に支障はないが、ナンバープレートが折れ曲がっている車体が多く、全般にユーザーが車体を乱暴に扱っている印象を受ける
- ファッション性
- まだ出始めて数年の新しい乗り物であったり、若いユーザーの利用が多いためおしゃれな印象を受けることがある
- 加速と速度制限のスムーズさ
- 加速や上限速度付近でのアクセル制御は自然で良好
- 他社キックボードでは、身体が置いていかれそうになるほどの加速をしたり、最高速度になるとアクセルが完全にオン・オフを繰り返して不安定になるものがあったが、LUUPではそのような問題は見られない
- 荷物の持ち運びができない
- 荷物カゴやフックがないため、手持ちの荷物があると乗れない点は不便
- カバンを肩にかけての走行は危険
- 登坂時のパワー不足
- 急な坂道ではパワー不足を感じることがあり、登坂性能には限界がある
運転における印象
- 車との関係
- LUUPの最高速度が20km/hに制限されていることもあり、車との速度差が大きく恐怖を感じる
- 車から幅寄せされることがあり、かなり嫌がられている印象が強い
- 操作の難しさ
- ウインカー操作や急な下り坂での体重移動に難しさを感じる
- 歩道走行モードの使い勝手
- 最近の車体には歩道走行モードがあり、ボタンを押してオンにするとウインカーがハザードのように点滅し、最高速度が6km/hに抑えられる
- ただし、このモードではバランスを取るのが難しく、歩いたほうが楽に感じる。また、歩道走行モードであることが周囲に理解されていないようにも感じ、現状ではまだ歩行者から違反と誤解されそうな気もする
他人の運転を見ての印象
- 目に余る違反行為
- ネットで頻繁に流れてくるけれども、歩道走行、信号無視、一時停止無視など、目に余る運転が非常に多いように感じる
- 道交法に関する誤解
- 一方通行の道を逆走するLUUPを見てルール違反ではないかと思ったことがあるが、実は道交法上は問題ない場合がある。また、サービス当初は右折レーンに入ることが正しかったが、現行では二段階右折に変更になったりと道交法のルールが複雑であったり、変更があったりと、利用者への浸透には時間がかかりそうだ
サービスとしての評価
- 料金設定がちょうど良い
- 料金改定は何度か実施されているが、現行の料金はラストワンマイルの移動手段としてはちょうど良い設定だと思う。地下鉄1駅分くらいの移動で150円弱くらいになる
- 月額サブスクプランもあるけれども、ワンタイム利用ができるのは非常に便利
- 利用の便利さ
- 地下鉄やバスで行きづらい場所へのアクセス手段として非常に便利
- ま借りるタイミングで目的地を選択し、駐車スペースを予約できるため、駐車に困ることがない。過去に他社のキックボードを利用した際、目的地に車体が集まっており駐車できなかった経験があるため、この点は非常に良いと感じる
- サポート体制の充実
- 車体の故障報告に対するレスポンスが速く、サポートが充実している印象を受ける
ネット上では批判を集めがちなサービスであり、私自身もルール違反の運転には不愉快さを感じることもお多い。しかし、LUUPは非常に便利なサービスであると感じる。今後は道交法やルールの整備、そして利用者への浸透が進むことを期待したい。