これまで何百回と議事録を作成してきた経験をもとに、私が考える良い議事録の書き方をまとめたい。
前提条件
- 対象とするのは、社内会議やプロジェクト会議など、同じゴールを共有しているメンバーによる会議。利害関係が一致しない契約交渉や営業活動は含めない
- 意思決定を伴う会議を対象とし、ブレストや進捗共有の報告会議は含めない
良い議事録とは
- 会議参加者、不参加者問わず、合意事項や承認事項、その理由や背景を理解でき、その後の業務の円滑な進行に寄与するもの
- 事前のアジェンダ設計とセットで準備することで、会議の進行を円滑にするもの
良い議事録を書くためには
- 自分で議事録を書く
- 部下や後輩には議事録を任せず、自分自身で書く。他者に任せる場合は必ず自分でレビューを行う。逆に、自身の上司にリスクヘッジとしてレビューを通すことも検討する
- 議事録を書くことは、その会議での議論や意思決定の内容を整理・コントロールすることに繋がる(都合よく解釈するという意味ではない)
- アジェンダや資料を事前に用意し、出席者に送付する
- 会議の成功は事前のアジェンダ設計にかかっている。自分の中でシナリオを作り、必要に応じて根回しをした上で臨む
- アジェンダごとに論点を明確にする(何を決定するか、どのような方針で進めるかなど)
- 時間配分も記載すると良い。時間内にアジェンダを消化したいという意志が出席者に伝わる
- アジェンダや資料の送付は早ければ早いほど良い。優秀な人は事前に読み込んでくれて、説明を省いてすぐに議論に入れることがある
- 送付方法はメール、Teams、Slackなど組織やプロジェクトに合わせるが、カレンダーに記載することで、読まれやすくなる
- 会議中に議事録を書く
- 会議中に議事録を書く理由は以下の通り
- 時間の経過とともに記憶が薄れ、正確な記述が難しくなる
- 録音やビデオ会議の録画、メモを後で清書するのは非効率である
- 議事録は会議終了後に速やかに送付した方が良い
- 議事録は資料と同時に投影し、出席者に内容を確認してもらいながら書くと、認識のズレを減らせる
- ファシリテーションをしながら議事録を書くには慣れが必要だが、習得すれば可能である
- 会議中に議事録を書く理由は以下の通り
- 会議の基本的な情報を記載する
- 開催日時、場所(場所は昨今あまり意味がないかもしれないが)
- 参加者の所属とフルネーム(あだ名や名字のみでは、読者によっては誰かわからないことがある)
- 会議で使用した資料のリスト
- 決定事項やTo Doを明確にする
- これはよく言われることだが、会議の最終的なアウトプットである
- 5W1Hを意識する。特に重要なのは「Why(なぜ)」であり、その意思決定に至った理由を明確にすること
- これにより、意思決定に対する納得感や理解度が高まる
- 誰が何を言ったかが重要な場面では、言質取りのために発言録、逐語録的なアプローチを取る
- 一字一句記録する必要はないが、発言の要旨を捉え、誰が何を言ったかを記録する
- 議事録は会議終了後、できるだけ早く送付する
- 出席者の記憶も時間の経過とともに薄れるため、内容確認を含め、会議終了後すぐに送付する
- 議事録はグループウェア上で検索しやすい形で保存する
- 組織やプロジェクトに応じて工夫する。メール添付だけでは、参加者以外や後から参加したメンバーが参照できない
- Wikiやドキュメントサーバでの階層構造や件名の付け方を工夫し、検索性と参照性を高める
- 発生したTo Doはできるだけ早く進捗を出す
- 遅くとも次回会議までには何らかの進捗を出すこと
- 次回の会議で進捗がないと、業務やプロジェクトのモメンタムが低下する
さっと振り返ってまとめたが、また気づいたことがあれば更新していきたい。